今回はEDMのビートの要であるキックのパンチの出し方について、お話していこうと思います。
1.オーバークリップに気をつける
最近のDAWであれば、音楽制作においてかなり役立つプラグインエフェクトなどは、一通り揃っていたりするので、案外かんたんに音圧を出せたりすると思います。
そこで、ひとつ気をつけなければならないのが、オーバークリップです。
どうしても、デジタルで音を取り扱う上で、ネックになってくるのがオーバークリップです。
音がクリップして歪むと、それはなんともし難い耳障りなデジタルノイズが発生してしまいます。
これを防ぐためには、きちんとレベルメーターを0dBに収めるということが必須条件になります。
しかし、それぞれのDAWで0dBを超えたとしても、ヘッドルームといって、すぐに歪まないように余裕を作っていたりもするので、
0db超えたからすぐデジタルノイズに繋がるというわけでもありませんが、用心するに越したことはありません。
2.パンチのあるキックは音選びから始まっている
さて、パンチのあるキックの作り方ですが、まずは参考になる曲のキックを聴いて、どれくらい音圧や太さを感じるか確認してみてください。
これ、結構大事です。
とにかく目指すのは、リスペクトしているトラックのキックです。
できるだけそのキックの音に近づけるのです。
なので、キックの音選びから、すでにサウンド作りが始まっています。
最初に太いキックを選んでおかないと、いくら後からEQやらコンプやらかけても、もともとショボイキックはショボさが強調されるだけです。
音色ライブラリーからキックを選べるのであれば、まずは鳴らした瞬間に迫力を感じるものをチョイスしてください。
3.キックの低音感はサスティンで調整する
次にエンベロープでディケイタイムをいじれるようであれば、ディケイタイムを調整してみましょう。
キックの余韻の具合によって、キックの重さというか太さみたいなのが変化するのがわかると思います。
わかりづらい!という方は、とりあえず、わかるまで繰り返しいじくってみてください。
このディケイタイムの調整で、好みの重さになったら、次はEQでローエンドの周波数成分を、若干、カット気味にします。
これによって、次にかけるコンプの効き具合が良くなります。
EQは基本的に100Hz~200Hzの低音部分はブーストしません。
なぜかというと、そこはベースパートの帯域だからです。
最終的に立体的なミックスに仕上げるために、パートごとの帯域をきっちり住み分けることが重要です。
4.キックに対してのコンプレッサーの代表例
EQ処理をしたら、コンプレッサーで音圧調整です。
- スレッショルドは-10dbくらい
- レシオは8:1くらい
- アタックタイムは2msくらい
- リリースタイムは75msくらい
- ゲインは+6dBくらい
という設定を使うことが多いです。
後は、曲調やアレンジによって、微調整していく感じです。
そして、最後にリミッターをかけます。
- アウトプットレベルは-1.0dBくらい
こいつでオーバークリップを防ぐみたいなイメージです。
5.EDM パンチのあるキックの作り方 まとめ
オーバークリップでサウンドの歪みを最大限に警戒しつつも、豊かな音圧感のあるキックの作り方でした。
重低音域はどうしても音が見えづらく、慣れるまで時間がかかります。
めげずにトライし続けて、自分だけの個性あるキックのサウンド作りを徹底していきましょう!