歌を歌うときは、低音域から高音域までなめらかに自由自在に歌っていきたいですよね?
近頃の歌もの楽曲は、情報量が多く、ピッチの高低、リズムの細かさ、表現テクニックの豊富さなど、歌いこなすには多くのコントロールを必要とする楽曲が多いです。
そこで今回は、明確なイメージを持つことによって、メロディラインの高低の動きをスムーズにコントロールするコツを紹介していきます!
1.ボーカルレジスターを意識する
ボーカルレジスターとは、声区のことで胸声区、中声区、頭声区に分けられ、それぞれチェストボイス、ミックスボイス、ヘッドボイスと呼ばれています。
それとは別に、声域といって、最低音から最高音までの歌える限界の音域の幅をボーカルレンジといいます。
発声は、「声の当たり」とか「プレイスメント(音を置く)」といって、身体のさまざまな場所に声の振動を集中させるイメージを持つことが重要です。
ボイストレーニングではそれぞれのレジスターによって、声の振動が身体のどの場所で響いているのかをくまなくチェックしていくことが上達の近道です。
ボーカルレジスターは全部で4つあります。
モーダルレジスター
日常的に使用している地声の音域です。
チェストボイス、胸声、地声
ファルセットレジスター
歌うときに最も多用する音域です。
ファルセット、ヘッドボイス、ミックスボイス、裏声
ボーカルフライレジスター
R&Bスタイルに多い発声スタイルです。
エッジボイス、声帯に通る息の量を極限まで減らした発声
ホイッスルレジスター
女性のヘッドボイスの上のレジスターです。
ホイッスルボイス、フルートボイス、ヘッドボイスの上の声区
ボーカルレジスターの詳しい記事:
2.声の高さによって方向性が変わる
声には高さによって方向性があります。
また、距離感とも捉えることができます。
それぞれのレジスターの方向性を確認していきましょう。
チェストボイスの発声の方向性
胸を通って、下向きに声が響いていくイメージです。
距離感にして3~5m程度でしょうか。
音の高さは、女性はMidD、男性はLoFあたりがわかりやすいかと思います。
胸の平らな部分(鎖骨のすぐ下あたり)に手のひらを置いて、「おーーーー」と発声して共鳴を感じてみましょう。
感じやすい人は、手のひらに「ビリビリ」と振動を感じると思います。
ミックスボイスの発声の方向性
顔の前面を通って、やや前方上めに声が響いていくイメージです。
距離感にして、7~10m程度でしょうか。
音の高さは、女性はMidA、男性はMidEあたりがわかりやすいと思います。
チェストボイスから徐々に声を伸ばしながら高くしていって、胸の振動が薄くなってくるあたりがミックスボイスの入り口になります。
感覚としては、上あごから眉間を通って声が響いていく感覚があります。
もちろん、感じ方に個人差はあると思いますが、片手を胸に、もう片一方の手を鼻頭に触れながら、声を上げ下げしてみてください。
徐々に、チェストボイスとミックボイスの違いがつかめてくると思います。
このとき注意すべき点は、ボリュームを一定に声を上げ下げすることです。
高くなるからといって、声を強くしてがなる感じになってしまっては元も子もありません。
集中して、丁寧に確認していきましょう!
ヘッドボイスの発声の方向性
頭頂から後頭部に向けて、声が響いていくイメージです。
距離感にして20m以上でしょうか。
音の高さは、女性はHiE、男性はHiCがわかりやすいと思います。
口から前に発声するというよりも、ほぼ後ろ向きに声を当てにいくイメージです。
手のひらを後頭部のへこんだ部分(盆の窪=ぼんのくぼ)に当てると、方向性がつかみやすいです。
甲高く「ホーーーー!」と吠えてみましょう。(ご近所には十分注意して!)
決して、がなり声にならないように、極力、のどを力んで力任せにならないように注意しましょう。スポンサーリンク
3.発声の方向性は180°でイメージするとわかりやすい!?
頭に何か被ってるわけじゃないですよ。笑
声の方向性をまとめると、こんな感じになります。
声の高さによって、胸から後頭部の間のほぼ180°の範囲で、声の方向性をイメージすると、音域の広い歌にも対応しやすくなります。
たとえば、1.5オクターブスケールのように、音域の広いスケールを用いて発声練習を行ってみると、この図のイメージがつかみやすいかと思います。
声というのは、どうしても感覚的にコツをつかむという部分が大きいので、いろいろな手法を試しながら、あなたにとってベストなイメージが出来上がるといいですね!
スケール練習はこのページを活用してください!: