DTMで音楽制作をしていてコード進行を作っていくために、ぜひ抑えておきたいのが
「ダイアトニックコード」
日本語で言うと「音階和音」と呼ばれるものです。
曲を演奏するためには、Keyを設定しなければいけません。
そのKey毎に音階が作られるので、その音階を元に音を積み重ねてできる和音というのが、ダイアトニックコードということになります。
EDMに限らず、全ての音楽ジャンルに通用する音楽理論になるので、避けずにしっかりと理解を深めていきましょう!
1.ダイアトニックコードの仕組み
たとえば、Key=C,Amで見てみると、
C D E F G A B
というのが元になる音階です。
これをダイアトニックスケールと呼びます。
これを元に一個飛ばしで音を積み重ねていくとコードになるんですね。
ソ ラ シ ド レ ミ ファ
ミ ファ ソ ラ シ ド レ
ド レ ミ ファ ソ ラ シ
C Dm Em F G Am Bm-5
という7つのコードが出来ます。
これがダイアトニックコードです。
関連記事:DTM初心者におすすめするコード理論本「そうだったのか! コード理論 コードはパズルだ!!」
2.コード進行とはダイアトニックコードの組み合わせ
この7つのダイアトニックコードの組み合わせにより、コード進行ができることになります。
たとえば、
C-F-G-C
と並べて順番にならして聴いてみると、何かしら印象というか雰囲気を感じることができると思います。
これがいわゆるコード感と呼ばれる、ハーモニーを感じるための感覚になります。
3.ダイアトニックコードの機能は、T(トニック)・D(ドミナント)・SD(サブドミナント)の3種類
ダイアトニックコードにはコードの機能と呼ばれるものが備わっています。
コードの機能とは
T=トニック
D=ドミナント
SD=サブドミナント
という3種類があります。
それぞれの機能を見ていくと、
T=トニック=親父
理想的な家族関係であるとして、一家の大黒柱のようなものです。
D=ドミナント=おかん
親父を内助の功で支える、家族になくてはならない存在です。
SD=サブドミナント=せがれ
親思いな出来のいい子です。
コードの機能とはこの3者の三角関係で成立します。
どいうことかというと、最終的にどんなコード進行も、トニックコードに落ち着きたい力を持っているということです。
4.ダイアトニックコードの組み合わせのパターンは「カデンツ」と呼ばれる
そこで、覚えておきたいのが「カデンツ」(ケーデンスとも)と呼ばれる、コード進行の基本パターンみたいなものがあります。
カデンツは元来は「終止形」を意味していました。
「T→SD→D→T」
(Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ)
が代表例ですが、
これにダイアトニックコードを当てはめてみます。
C Dm Em F G Am Bm-5
T SD T SD D T (D)
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ
このようにダイアトニックコードにはコードの機能が割り当てられます。
すると、
T→SD→D→T ⇒ C→F→G→C
みたいに並べていくことになります。
ただ、これだけだと、かなり単調になってしまうので、
T→SD→D→T ⇒ C→Dm→G→Am
のように部分的に同じコードの機能のものに置き換えたりしながら、コード進行を発展させていったりします。
併せて読んでおきたい記事:EDM での作曲コード進行① 456パターンの感覚を叩き込もう!
5.カデンツ(ダイアトニックコードの並べ方)の基本パターンは3種類
カデンツは基本パターンとして3種類あります。
T→D→T おなじみお辞儀コード進行
T→SD→D→T 耳たこなレベルでド定番コード進行
T→SD→T アーメン進行とも呼ばれる厳かコード進行
これらをコードの置き換えを駆使しつつ、組み合わせていくだけで、それらしい曲ができてしまいます。
たとえば、4小節パターン(2拍毎にコードチェンジ)として次の組み合わせを鳴らしてみると、
T→SD→T→D→T→SD→D→T ⇒ C→F→C→G→Em→F→G→C
なんか垢抜けない雰囲気ですが、機械的に組み合わせたものを演奏してみました。
クラシックでの音楽理論では4番目5番目の「G→Em」の進行はタブーとされていますが、聴いた感じではそんなに悪くないと思います。
基本カデンツの3種類を2小節、4小節、8小節という固まりで、コードの機能に沿って当てはめていくだけで、ちょっとした曲が出来てしまいます。
6.まとめ
闇雲に作曲していくのも、ひとつひとつ手探り感があって楽しいですが、音楽理論をちょっとでもかじっておくと、破綻させずに作曲することができます。
音楽制作をしていて、「なんかヘンチクリンだな~」というときは、概ね音楽理論から外れてしまっていることがほとんどです。
そんなときにダイアトニックコードの理解も含めて、音楽知識を活用していきましょう。
最後にコード理論修得の近道は、
好きな楽曲のコード進行をパターン化してストックする
自分が作曲する音楽は、
「自分が好きな音楽の集大成」
好きなものを寄せ集めていけば、自分だけのオリジナルが生み出されます。
はじめは、モノマネでそっくりになってしまっても、継続してストックしていけば、新たな組み合わせが生まれます。
ぜひ選り好みせず、たくさんの楽曲に触れていきましょう!
併せて読んでおきたい記事:EDM 作曲のためのコード進行 暗いけどノスタルジックな426コード進行パターン