自分の発声のクセをきちんと客観的に把握できてますか?
歌のメロディラインと歌詞をいくら完璧に覚えたとしても、それだけでは素晴らしい歌唱パフォーマンスにつながりません。
昨今、カラオケ採点番組がブームになっていて、カラオケで高得点を出すことが至上命題みたいになっているフシもあります。
しかし、本当に心に響く歌というのは、歌詞やメロディを最高のサウンドで表現する歌声が伴ってのものだと感じます。
声のサウンドの幅を広げるためには、深く自分の発声について理解を深めていくことが重要です。
そこで、今回はカンタンなスケール発声で、自分の発声のクセを確認する方法をお伝えします。
できれば、録音しながらスケール発声を行い、録音した自分の発声を客観的に振り返ると、より効果的です!
より理解を深めていただくために、
自宅ボイトレ(ボイストレーニング)やり方のコツ 発声の5ステップを意識する! 目次
あらかじめ目を通していただくと効果的です。
1.5TONEスケールとは?
5TONEスケールとは何かというと、5度スケールとも呼ばれていて、「ドレミファ|ソファミレ|ドー」と上がって下がる音階です。
この5TONEスケールは、主にボイトレのレッスンで、声質や傾向を知るために用いられている診断ツールです。
良い発声をキープする難易度的には「中程度」でしょうか。
音と音の間が2度で隣り合っているため、「ドーミーソー」みたく3度で一個飛ばしよりもピッチ調整がデリケートになります。
それによって、人それぞれの発声クセが現れやすくなります。
2.母音「A~(あ~)」で5TONEスケールを発声してみよう♫
5音とも楽に発声できる音域からスタートして、半音ずつ上行していきます。
途中で地声から裏声に移行するエリアが出てきますが、とにかく上がれるところまで上げていきます。
到達できた最高音が、あなたの現状でのボーカルレンジ(声域)の限界です。
恐らく、歌で使われる音域は遥かに飛び越えているのではないかと思います。
ただ、何の目的もなく5TONEスケールを発声していてもしょうがないので、以下にチェックポイントを挙げていきます。
女性用5トーンスケール
平均的な女性の音域で5トーンスケールが再生されます。
男性用5トーンスケール
平均的な男性の音域で5トーンスケールが再生されます。
3.チェックポイント1 喉頭(喉仏)位置の状態
喉頭位置は自然な位置をキープできることが望ましいです。
喉頭が上がると、のどは閉まります。
逆に喉頭が下がりすぎても、喉の状態は不自然に閉まってしまいます。
あくまでも、「のどでは何もしない」自動的に筋肉が働いてくれるくらいが丁度いいです。
首をつかむように、手のひらを喉元に当てておくと状態が確認しやすいです。
4.チェックポイント2 発声の質の状態
声質はボイトレでは、硬い声と柔かい声で判断していきます。
硬い声とは、支えが適切に行われている声です。
柔かい声は、支えが弱い状態の息っぽい声です。
硬い声でも、がなり声のようなのどを閉めすぎな発声は論外です。
歌うときに出てくる発声の種類が以下のようになります。
PULL(プル):高音域で地声を無理に持ち上げて、いかにも苦しそうな発声
FLIP(フリップ):高音域で声が裏返って、マヌケな感じになってしまう
LIGHT CHEST(ライトチェスト)、NO CHEST(ノーチェスト):地声が軽く、薄い、弱々しい発声
HIGH LARYNX(ハイラリンクス):喉頭が上がりすぎて、北斗の拳に登場しそう
MIX(ミックス):全ての音域で声質がほとんど変わらず、スムーズな発声
以上を参考に、あなたはどのタイプに入ってくるのかチェックしてください。
5.チェックポイント3 呼気量の状態
あるピッチに対して、息が多すぎてもいけませんし、少なすぎてもいけません。
「丁度いい」
これが重要です!
5TONEでスケール発声するときは、一定の息の強さを心がけましょう。
フレーズとして、ひとかたまりの息使いで発声するとき、声の上がり下がりに対して、それほど息を吐く量は変える必要はありません。
最低音から最高音、最高音から最低音が一息で息の強さが安定しているか確認してください。
6.チェックポイント4 喚声点の位置
喚声点とは、ボーカルレジスター(声区)が切り替わるエリアです。
あえてエリアと表現したのは、楽にレジスターを移行できる幅が存在するからです。
もちろん一音一音確認していけば、明らかに半音違いで出せるピッチ、出せないピッチを見つけることはできます。
しかし、ブリッジといって、レジスターをスムーズに移行するためにクッションになる幅を意識した方が現実的です。
女性はおよそG3~B3
男性はおよそD3~F3
(C3=中央ドとする)
大抵、このような範囲で早めに高い側のレジスターに入っていくとスムーズです。
7.5TONEスケールで自分の発声クセを確認する まとめ
自分の発声クセを確認するには、ここまで解説してきた4つのポイントに意識を向けましょう。
もう一度おさらいしておくと、
- 喉頭位置の状態
- 発声の質の状態
- 呼気量の状態
- 喚声点の位置
長年のクセは習慣なので、なかなか直ぐに改善とはいきませんが、客観的な評価ができれば、自ずと課題が明らかになり、どのようなトレーニングが効果的かを推し量ることができます。
最短で歌を上達していくためにも、「急がば回れ」で、必要なことを着実にこなしていきましょう!
ボイストレーニングの基本は
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